プライオメトリックトレーニングと筋トレの効果と方法
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プライオメトリクス(プライオメトリックトレーニング)は、最大筋力(パワー)を瞬発力に変換するためのトレーニング方法です。特に切り返しや敏捷性が必要なスピード系の競技において非常に有効です。

プライオメトリックトレーニングの原理と方法

プライオメトリクスの原理は、ジャンプなどの反動を利用して瞬発力を向上させるトレーニング方法です。

筋肉を急速に伸展させることで筋肉や腱が伸張反射を引き起こし、大きな筋収縮(短縮)が得られます。
筋肉と骨が接続している箇所を腱と呼びますが、筋肉が急速に収縮し始めると腱も伸ばされ、その後元の状態に戻ろうとするため、筋力に追加のパワーを提供します。
言い換えれば「得られる力 = 最大筋力 + 筋肉と腱の伸張反射」です。
伸張反射は脊髄反射の一形態で、骨格筋が受動的に伸ばされると、その筋が収縮する現象です。

プライオメトリクスは筋肉や腱の反射を利用し、爆発的なパワーを身に付ける為のトレーニングです。

垂直ジャンプもプライオメトリックレーニングの一つ

垂直ジャンプもプライオメトリクスの一例。
しゃがんだ状態からジャンプするよりも立った状態から一度しゃがんでジャンプする方が高く跳ぶことができるのは、この伸張反射の力を活用しているから。

プライオメトリックトレーニングの効果

プライオメトリクスの効果は、「伸張-短縮サイクル(ストレッチ・ショートニングサイクル)」の機能を向上させ、爆発的なパワーを発揮する能力を高めることができます。
これにより、伸張-短縮サイクルに関連するスプリント、ジャンプ、敏捷性(アジリティー)などの能力も向上します
【参考文献】
爆発的パワー養成 プライオメトリクス
DVD版 爆発的パワー養成プライオメトリクス 

プライオメトリクスはおもりなどの負荷を使いませんが、身体には高強度の負荷が掛かることもあります。年齢により適切な強度でなければ怪我の原因になります。

プライオメトリックトレーニングの実践

低強度の縄跳びやスキップなどから始まり、高強度のデプスジャンプなどが代表的なトレーニング種目です。
縄跳びスキップはジャンプする高さを変えることで強度を変えることができるため、成長期の年齢でも行うことが出来ます。
さらに縄跳びは縄(道具)を使うため、複合トレーニング(プライオメトリック、敏捷性、コーディネーション等)として成り立ちます。
【参考】コーディネーショントレーニング

 デプスジャンプは、着地後すぐにジャンプするトレーニングです。
この様な低いハードルを連続で飛ぶことでもトレーニングできます。

プライオメトリックトレーニングの強度と注意

反動を使ったトレーニングであるため、筋肉よりも腱や靭帯、軟骨への影響が強く出て怪我の原因になることがあります。
そのため高強度のプライオメトリックは、筋力を基礎とする体づくりをある程度完了してからの方が安全で効果的であるとされています。
成長期にある年齢の場合は、縄跳びやスキップなど低強度のプライオメトリクスに限定する必要があります。

主に敏捷性(アジリティー)のトレーニングとして多く使われるラダーですが、普段のドリルを軽くジャンプしながら行うことでプライオメトリクストレーニングとしても使うことが出来ます。