④オーバーロード・プロトコル:スロートレーニングの効果的なトレーニング方法
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スロートレーニングのオーバーロード・プロトコルとは、筋トレ時にオールアウトしやすくするために挙上方法をゆっくりにするトレーニングセットのこと。本来よりも下げた重量をゆっくりと扱うことで正確なフォームを維持することができ、トレーニング部位に適格な刺激を与え、アスリートは怪我の予防にもなる。スロートレーニングは筋幻惑法の一つとしても有効である。

スロートレーニングを筋幻惑法の一つとして筋トレを行う

 筋トレでは筋肉へ刺激を変え続けるために重量を重くし続けますが、これを負荷の漸増(ぜんぞう)性の法則と言います。
しかしただ筋トレ時の負荷を増やし続けるだけでは刺激がマンネリ化し、筋トレの効果が薄くなります。
そこで刺激をマンネリ化させないため、様々な筋トレ方法で刺激を変えることを筋幻惑法と言います。

瞬発力を上げるためにアスリートは高重量での筋トレをしますが、クイックリフトでは怪我の可能性が増えると話しました。
そのため一般的な筋幻惑法では、セットごとに重量やレップ(挙上)数を変えたり、一部位に対して様々な種目を行うメニューを作成します
【参考】筋幻惑法とは

筋トレにオーバーロード・プロトコルを組み込む方法

スロートレーニングでは完全にコントロールできる重量で行い、前述までの筋幻惑法に加えて様々な挙上方法によりオールアウトさせます
スロートレーニングでは、この様々な挙上方法までを含めたメニューをオーバーロード・プロトコルと言います。
リンク先のオーバーロード・プロトコルでは、HITを組み合わせたセットも紹介されています。
【参考】大川達也氏のオーバーロードプロトコル

オーバーロード・プロトコルを組み込む例

マークアサノビッチ氏が作成したオーバーロード・プロトコルは、全て1stセット目でオールアウトするように設計されています。
下記は参考文献に載っている例のごく一部ですが、どのセットも重量、レップ(回数)、インターバルなど様々に設定されていることが分かります。

  • 3STRIKES
    1st set 15~17レップ(回)オールアウト
    2nd set 5~8レップ
    3rd set 3~5レップ
    ※インターバルは30秒
  • 50%SET
    1st set 8~10レップ(回)オールアウト
    2nd set 4~5レップ
    3rd set 4~5レップ
    ※インターバルは60秒
  • 7-4-7SETS
    1st set 7レップ(回)オールアウト
    2nd set 4レップ
    3rd set 7レップ
    ※インターバルは30秒
  • 10-5-10
    1st set 8~10レップ(回)オールアウト
    2nd set 4~5レップ
    3rd set 8~10レップ
    ※インターバルは60秒
  • CRAZY 5’s
    1st set 4~7レップ(回)オールアウト
    ※キープはスティッキングポイント(一番きつい場所)で行う。
    5秒掛けて上げ、
    5秒キープ、
    5秒掛けて下ろす。

オーバーロード・プロトコルをクラブチームで行う

このセットに沿って、筋トレの各種目(腕立て、腹筋、背筋、その他)を行います。
1st setでオールアウトできるようにトレーニングチューブマニュアルレジスタンス(徒手負荷、パートナーに手で負荷を掛けてもらう)で負荷を掛けて調整します。
オーバーロード・プロトコルを行う際は、各自の負荷の設定を記録すると良いでしょう。

マンデルブロトレーニングにスロートレーニングを組み合わせる

マンデルブロトレーニングとは、山本義徳先生が考案された筋肉に与える刺激内容を毎回変える筋トレメニュー筋幻惑法の一つ
自分のMax重量や筋トレ姿勢が正しくできる中級者以上が目安とされている。

  • フェイズ1:筋肥大アップ
    Max重量の70~80%で8~12回程度のレップ。
  • フェイズ2:筋力アップ
    Max重量の80~90%で3~5回程度のレップ。
  • フェイズ3:筋持久力と関節や神経系の回復
    Max重量の30~40%で15~20回程度のレップ。
    フェイズ3にスロートレーニングを組み合わせることで、鍛えたい特定の部位をオーバーロードさせます