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サマータイム(夏時間)制度とは、欧米などで実施されている夏季に時計を1時間進めて、夏季の明るい日中の時間帯を有効活用するというもの。

近年日本でも導入の動きが出ているが、これに反対してきた日本睡眠学会は7月23日、小冊子『サマータイム―健康に与える影響―』を公表した。

サマータイムで健康障害

2008年に同学会が報告した「サマータイム制度と睡眠―最終報告―」を平易にまとめたもので、サマータイム導入がもたらす悪影響について、一般国民の理解を得るのが狙い。

学会の特別委員会の本間研一委員長(北海道大学大学院客員教授)は、小社の取材に対し「サマータイム制度が問題なのは睡眠不足をもたらす可能性があるためで、早く起きるなら早く寝ることが必要」とのコメントを寄せた。

なお、小冊子は日本睡眠学会公式サイトからダウンロードできる。

健康問題はほぼ議論されず

サマータイム導入で起こる可能性がある健康障害として学会が指摘しているのは3点。
(1)体内時計への影響
(2)眠りの質への影響
(3)眠りの量への影響
欧米に比べて国民の短睡眠化・夜型化が進行しているわが国がサマータイムを導入した場合、早寝が伴わず早起きのみが促されるため、睡眠や体内時計(生体リズム)に影響し、健康障害の拡大が大いに懸念されるという。

サマータイム導入国のフィンランド

例えば、サマータイム導入国のフィンランドでは、サマータイムに移行後、睡眠効率の低下や体重増加が認められ、通常の睡眠時間が8時間以下の短睡眠者では日昼行動の分断(集中力の欠如や眠気)が報告されている。