ドイツ大会に比べてボールが変化しなくなる理由はまだ残っていた。

ボールを変化させるには空気抵抗が必要

南アフリカ大会は他のワールドカップと大きく異なり、会場の半数が標高1000mを超える高地だったのだ。
本来運動をするにも適さない標高であり、開催も危惧されていたことが話題となった。
(開催後に判明した一番の問題はブブゼラの騒音問題だった。)
高地では空気が薄くなり、同じ速度であれば「単位時間辺りに衝突する空気自体が減る」ことになる。
ジャブラニ(その1).jpgするとマグナス力も小さくなり、カルマン渦の発生も減ることでボールの変化量も小さくなる。
南アフリカ大会ではブレ球の変化以前に、サッカーボールが曲がる事自体が難しい状態になった。
実はこの点においても大会前後で矛盾が発生したのである。
その話題はまた後ほど…

ボールの変化に影響を及ぼす要因

 長いこのシリーズもようやく佳境を迎えつつあるが、今までの話題を含め物体に変化を加える要因を挙げてみる。
①物体の質量、大きさ、形
②流体抵抗(カルマン渦+マグナス力)
③物体表面の加工
④流体の濃度
 ①これらはボールの規定値があるので一定と考える。
 ②常にこの二つの力が加わっている。
 ③縫い目や凹凸の大きさ、数によって②の力の割合へ影響する。
 ④標高によって変わる。実際には湿度も影響するだろう。
サッカー解説者などはこれら流体抵抗のことなど知るはずもないのだが、TVに出ていた専門家が間違えていたのは如何なものかと思う。
勿論流体が専門でない自分が100%あっているとは思わないが、②のカルマン渦の影響を考えなかった理由を聞いてみたい。
まぁ流体専門の先生いわく、流体抵抗はわりといい加減なものらしい。
「だって気体なんだから見えないじゃん?」と昔言われたことがある…

(‐_‐;)そこまでいい加減なん?と思った。

(流体は液体もあるので要注意。)
上のは先生の冗談だが、同じ環境をつくろうとしても二度と作れないからという意味らしい。
気温や流体の方向が同じでも、湿度が変わると条件が同じとは言えないという繊細なものなのだとか。
(残り僅かだがもう少し続く。)