ここで日本代表の目標と思われるプレイを整理してみる。

ゾーンプレスによりボールを奪取し、素早い展開から速攻を仕掛けてカウンターを成立させる。
速攻が失敗した場合はボールを保持(ポゼッション)してボールを回し、相手DFのほころびや弱点をつく。

と言ったところだろうか。

足りないのはシュートまでの組み立て!?カテナチオが標準となった現代

細かい修正点を挙げるとキリがないが、特筆すべきはやはり最後のシュートへつなげる仕掛けやその直前の組み立てだろう。

センターFWがドリブルで仕掛けるシーンもほぼ見受けられなかったが、そのシーンを作るためのパサーが居ない。
ここ数年ではディフェンス方法も進化しているため、昔のようにトップ下にスター選手が居ても用意にパスが出せない点も原因である。
中田英寿氏などがFWへ出していたスルーパスができないイメージだ。

これは素早い縦パスが出せていない遅攻が原因でもあるのだが、現代のディフェンススタイルが進化したこともあると思われる。

カテナチオの進化型!?4-4-2のディフェンススタイル

イタリア代表のカテナチオのディフェンス方法(4-4-2 or 4-4-1-1)を全世界が標準でしていると言えば分かりやすいだろうか。
そこからカウンターを仕掛け、駄目なら4-2-3-1や4-3-3、4-1-4-1など各国の基本陣形に変形するイメージで間違いない。

世界標準となったディフェンスであるカテナチオとは

①カテナチオでは中央が固いのだが、サイドにボールを寄せるにはまずCFが左右どちらかにパスを出させる。
②サイドに追い込むとCFとサイドハーフ(SH)、そしてサイドラインで囲み、相手のボールを取るかパスミスを誘発するスタイルだ。ボールが低い(自軍のゴールに近い)場合は、サイドバック(SB)が加わる。
③仮に中央へ切れ込まれたとしても、中央のDMとCBの4人で囲まれることになる。

サイドから攻めに転じるときはディフェンシブミッドフィルダー(DM)がサイドバックの位置に寄る

逆に相手にやられた場合の高い方は右図だ。

逆サイドを空けることにはなるが数的優位を作るためにDMがボールサイドに寄り、ポゼッションからボールをパス回しにより縦方向へ抜けていくのだ。

現代の主戦場は両サイドの攻防!?攻撃の選択肢を広げろ!

割と低い位置でボールを奪取し、サイドバックやセンターバック(CB)にボールを回したとしよう。
サイドから攻撃するときは

相手のディフェンス2列が揃ってからスルーパスを出すのは容易では無いのだが、揃う前に前の2~3人でシュートまで行くことが理想である。
攻めに切り替えるときは中央と両サイドで問うことは無いが、中央のディフェンスが固くなったことで重要視されるのが両サイドでの攻撃だ。

まずはカウンター

サイドハーフが一人もしくは二人で仕掛け、
①縦への突破からセンタリングか、中へ切り替えしてシュート。
②中へドリブルで切れ込んでのシュート。
両サイドハーフに求められる攻撃の選択肢はほぼこの二つしか無い。

この2つのパターンでどこまで相手の脅威になれるのかが問題なのだが、そのパターンが余りにも少ないように見えた。

左サイドハーフの争いは熾烈極まりない

途中出場した三笘薫のような仕掛けは非常に魅力的であり、あれが今の日本代表に必要となることは間違いない。
先走るが、アメリカ戦の次の試合で先発を見る限り、現段階では中島翔哉のようなオールラウンダーが先発した方が良いと思う。

中島翔哉の勝手なイメージで恐縮ではあるが、縦への突破、中への切れ込み、キープするためのドリブル、全てが安定して見える。
パスとドリブルのバランスもよく、チームメイトが左サイドからリズムを作りやすくなっていると言っても過言ではない。

右サイドハーフは課題が残る

先発したのは好調の伊東純也であり、縦のスピードが魅力的な選手だ。
縦への突破は魅力的なのだが、惜しいことにこれしか無い。

理想的な左サイドを単純に対象的に見れば分かり易いが、なんとも攻撃パターンのバランスが悪いのだ。
また伊東純也はドリブルが苦手らしく、中への切れ込みの少なさやボールキープ中のドリブルで、被ボール奪取率が高いように見えた。

現在右サイドの個人的な候補順位は、堂安律、久保建英、伊東純也であり、伊東純也は三笘のような途中出場で疲れた相手を振り切る役になるだろう。

トップ下は鎌田大地で決まりだろう

この試合を見る限りトップ下は決まりである。
最近ヨーロッパサッカーの試合を見ていないビリーが言うのも何だが、まるでヨーロッパのトップ下を輸入させたかのような圧倒さを感じた。
もし鎌田が怪我をした、温存するような機会があれば南野、久保らを控えとする方向になるだろう。

ただ冒頭で話した通り、最後の一本のパスがつながらない。
これはカテナチオが世界標準となった今、両サイドハーフとの連携を綿密にしなければならないだろう。

南野拓実、伊東純也はCFならありかもしれない

現在で不動のCFといえば大迫だとは思うが、今現在は怪我をしてから回復に向かっているそうだ。
CFに関してはその他の人選でオプションとして試されたのだが、思うような結果には至らなかった。

この記事を書き出したのはメンバー発表前だったのだが、大迫が呼ばれなかったことも含めて南野か伊東純也がCFとするのではないだろうか。
南野をCFとする場合の右サイドは堂安律か伊東純也、伊東純也がCFの場合は堂安律が右サイドをすることになるだろう。
右サイドハーフは左サイドに比べて人数が足りないことは否めない気がする。

南野をCFにする利点はもう一つある。
4-4-2のシステムが機能するようになるのだ。
伊東純也をトップにしても右サイドに流れ気味のCFにすれば堂安律が活きることになる。
勿論中央でポストプレイのイメージが強い大迫でもできたことだが、攻撃のイメージは膨れ上がる。

カウンターに失敗したときは保持をしながらの攻撃

両サイドハーフとトップ下、そこにサイドバックかディフェンシブハーフが加わって攻撃の厚みを出すのだが、3人目か4人目が加わった頃にはもう遅い。
味方が集まれば相手DFも集まる時間があるので、理想はサイドハーフとトップ下、出来ればセンターFWが入ってくるような中央寄りの展開へ持っていく方が良いだろう。

サイドとは言ったが中央寄りで仕掛けなければシュートまで行けないのだ。
やはり時間を掛け過ぎない攻撃が重要となる。

全体ではサイドチェンジを意識するような長いパスやミドルシュートが足りないように見えたが、今現在の主流では安易にボールを相手に渡すような行為と見なされているようだ。

ここからビリーの推奨する(日本の目指す?)「奪取、展開、速攻 or ポゼッション」が目指せるだろうか。
(続く)