④成長期のクラムジーとコーディネーション : 体と感覚の調和をとる方法
※当サイトの記事には、広告やプロモーションが含まれることがあります。

クラムジー(Clumsy)とは体の成長に伴い意識と体の動きが一致しづらい状態を指し、特に成長期にこの感覚が強く現れます。例えばスポーツ選手が数日間の休息をとると、体が回復する前回復した後の状態では感覚が大きく変わることがあります。この状態をコーディネーションがズレていると表現することがありますが、同様に成長期では成長した体に感覚がついていかないことがあります。これをクラムジーと言います。クラムジーとは、成長期における感覚と運動能力のズレを指す言葉です。

クラムジーとは成長期に体と感覚に生じるズレのこと

肉体疲労や神経系の疲労でコーディネーションが低下することもありますが、成長期においても運動感覚にズレが生じます。成長期に現れるコーディネーションのズレ、それがクラムジーです。
【参考】コーディネーションとは

成長期に出るコーディネーションのズレ!?クラムジーとは!

筋トレ後に体が過剰に回復することで運動能力は向上しますが、運動感覚が追いつかないことで運動の能力と感覚の一致が難しくコーディネーションが低下し、クラムジーと同様の状態になります。

この様に筋トレとスポーツを合わせるとコーディネーションのズレは日々感じるのですが、そこにゴールデンエイジ(13~16歳前後)では体の成長が著しくなり、更に運動感覚が追い付かなくなるのです。
【参考】ゴールデンエイジとは

コーディネーションとクラムジーとの付き合い方

過去にコーディネーションの低下を「筋トレは競技に合わない」と誤解し、結果的に「筋トレではスポーツのパフォーマンスが向上しない」と考えられ、コーディネーションがズレると運動能力が落ちたと勘違いし、練習量を増やす傾向がありました。

日本では怪我をしやすい成長期にクラムジーによるコーディネーションのズレも練習不足と判断し、オーバーワークになり怪我が増えているのです。
その証拠にコロナ禍で外出の自粛が叫ばれる中、病院からはスポーツ障害(スポーツでオーバーワークによる怪我)の減少が報告されました

クラムジーの経験

 人生で初めて(?)「この大きな感覚のズレ」に気づいた17歳の時、体育の先生に「それはクラムジー(Clumsy)と言うんだよ。」と説明されました。
丁度高校の体育でソフトボールの時間だったのですが、その感覚のズレが面白くて一人で笑いながらバットを振り回した記憶(素振りのことね)があります。

普段から試合前を想定したコンディショニングを練習する

運動感覚は常にズレるので、普段から疲労と休養(回復)を意識し、コーディネーションのズレを日々確認しましょう。
【参考】トレーニングメニューの作り方

練習内容を変えることもトレーニングの一つ

クラムジーが起きる時期はゴールデンエイジに含まれているため、怪我をしやすい競技練習よりも運動能力の伸びやすい各フィジカルトレーニングを優先させても良いでしょう。
体力を常に温存しながら栄養と休養を充分にとることで体を成長させ、フィジカルトレーニングで運動能力を伸ばし、長い目でスポーツパフォーマンスの向上を目指しましょう。

練習試合の1週間前からコンディショニングを練習する

練習試合や本番でも疲れた状態で臨むことがしばしばありますが、これでは意味がありません。
練習試合では、公式大会で最高のパフォーマンスを発揮するためコンディショニング(体調管理)を練習する必要があります。

試合1週間前から体力の完全回復を意識し、グリコーゲン(カーボ)ローディング法により、体内の炭水化物量を最大170%にまで貯蓄するなど、何度も練習しないとできるようにならないことが幾つもあります。
クラムジーの時期にコンディショニングを意識すれば、オーバーワークになった練習量を減らすことの重要性を覚えることができるでしょう。
【参考】グリコーゲンローディング法とは

コーディネーションは簡単にズレる

グリコーゲンローディング時は練習量を減らし、体力は100%以上になるため、運動感覚にいつも以上の大きなズレが生じます。
そのコーディネーションのズレに慣れることが本番に向けた練習試合で一番重要な練習になります。

トレーニングメニューには長期と短期の計画を用意する必要があり、長期のメニューでは公式試合前の内容も想定しておきましょう。