厚生労働省の研究から「20歳を過ぎてから痩せると死亡率が増加する」、また「体重の増加と死亡のリスクは関連性が薄い」と発表されました。果たしてその真偽とは…

体重の変化と死亡率の関連について

厚生労働省の研究班が2005年までの平均約13年間、がんや循環器疾患になっていない男女40~69歳の約9万人を対象に総死亡、癌(がん)、循環器疾患死亡率、脳卒中、心筋梗塞などの病気と生活習慣に関する調査を行いました。
調査期間中に6494人が死亡した。
アンケート調査を受けた時点で、20歳から①体重が5kg以上減少した人②5kg以上増加した人③体重変化5kg未満の人の3つに分けて関連を調べたところ、以下のような結果となりました。
男性では、どの年齢層でも5kg以上減少した人の死亡率が最も高くなり、体重が増加した人の死亡率は最も低い結果でした。
女性も同様に体重が減少した人の死亡率が最も高くなりましたが、男性とは異なり、体重が不変の人よりも5kg以上増加した人の死亡率が高い結果でした。

研究結果の相対評価

③体重変化5kg未満の人の死亡率を1.0とした場合、①体重が5kg以上減少した人の総死亡率は男性が1.44倍、女性が1.33倍にまで上がり、②5kg以上増加した人は、0.89倍、女性は0.98倍になりました。
①の群で調査開始時40~49歳だった男性に限定すると、死亡率は③群の1.61倍にも達した。
がんや循環器疾患による死亡率でも、男女とも体重減少群が変化の少ない群を上回った。

20歳時の体型と脂肪率の関係

また、20歳のときの体格によって①肥満あり②肥満なしに分け、その後の体重変化と総死亡率との関連を見ました。「男性では20歳のときの肥満の有無にかかわらず、その後の体重減少が死亡率のリスクを上昇させていた」としており、逆に「体重が増加することによる死亡リスクの増加は、男女ともほとんど認められなかった」という。

欧米での研究

欧米の研究でも「20歳からの体重増加がその後の死亡率に影響を与える」とされています。
しかし日本人の体格は欧米の体重の増加と比較するとかなり小さいせいか、「体重増加による影響はほとんど認められない」とされ、むしろ「体重減少が男女とも総死亡のリスクを上昇させる」、さらに男性においては「がんと循環器疾患死亡リスクを上昇させる」と結論づけています。

ダイエットによる体重の変化ではない

この研究は「20歳からの体重の変動を自然経過として観察したもの」であり、ダイエットによる体重の減少ではなく、体重が減少する要因として、喫煙、肝臓病や糖尿病等の慢性疾患、栄養不良といった様々な健康問題を背景に考えたものです。

体重の自然現象は健康障害のシグナル

研究班の斉藤功・愛媛大准教授(公衆衛生学)は「死亡率を上げている原因は不明だが、成人以降の自然な体重減少は、健康障害が起きているシグナルの可能性がある」と話しています。