感情のコントロールが怒らない技術になる
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「怒り」がまん延している現代社会。家庭生活や職場環境など私たちを取り巻く生活環境の中で、心理的なストレスは計り知れないもの。家庭内や経済的な問題、職場での悩み、その他の不満など、現代社会がつくり出す様々なストレスが怒りにつながるのです。<ITMEDIA 嶋津良智‐2011年01月13日>

怒りが招く負のスパイラル

これまで「怒った」場面では全ての場面で「怒らない」という選択肢もあったはず。
一瞬の判断だったかもしれませんが、自ら「怒る」ことを選択しています。
「怒らない」ことを選択していたら、その場はどうなっていたのでしょうか?

●自分の感情が「怒り」を生む

私の例で説明してみましょう。
私は自ら独立、起業し会社を株式上場まで導き、ビジネスマンとしてもそれなりに成果を上げてきました。
もともと短気な性格だったこともあり、「怒り」でマネジメントをし、常に「緊張感」を持たせることが成果を上げることだと思い込み、部下に対して朝から晩まで「恐怖、脅迫、ドツキ」を繰り返すマネジメントを行っていました。
業績が勢いに乗っていたときはそれなりの成果を上げていました。
ところが、しばらくすると業績は落ち、ソコソコのレベルを保つも成績は鈍化する一方。
私の「怒り」は頂点に達し、「怒り」マネジメントはエスカレートしました。
部下は疲弊し、負のスパイラルに陥ったのです。
今から思うと、それは小心者であるがゆえのマネジメントであり、自分の個人的な感情を部下にぶつけていたのです。
自分の心に余裕があるときなら、どうだったのでしょうか? イライラしていると、物事をネガティブに受け止めやすく、冷静に判断できません。
同じ言葉、態度でも全く違うように感じてしまうものです。
部下を教育しようという思いが「怒り」につながり、全てが悪い方向へ向かってしまいました。

●「考え方」を変えれば、人の心はコントロールできる

部下は上司を見て育ちます。
部下を変えたいと思ったら、まず自身が「上司とはどうあるべきか、モノの見方、考え方」を学び実践しなければなりません。
そして、心を開き合える関係でなければ、上司のどんな言葉も部下には届かないのです。
魅力的な上司となり、部下と最高の人間関係が築けたならば、その組織には不機嫌、イライラ、怒りといったマイナスな感情、人生をつまらないものにする不要なエネルギーがなくなるのではないでしょうか。
そのために、私は、「彼らに成果を上げてもらうために、どうすればいいか?」と考えるようになり「彼らが悪い」のではなく、「自分のマネジメントの仕方が悪い」ことに気付きました。
つまり、「自責の念」が強くなったのです。
人を威圧しなくなり、いつも笑顔でいるように心掛けました。
すると、人から声をかけてもらいやすくなり、やがて私の周りに人が集まるようになりました。
人が集まるということは、そこに情報が集まります。
情報が集まると、たくさんのチャンスが生まれるようになり、自然と「得」することが増えるようになりました。
以前と同じように生きているのに、笑顔になって人が話しかけやすい雰囲気をつくるだけで、人生「得」をするようになったのです。
毎日眉間にしわを寄せている人間より、包み込むようなオーラを持っている人のほうが声をかけやすいし、集まりやすくなります。
何事も、どうせなら楽しいほうがいいに決まっています。
そのことを意識しはじめると、自己中心的な自分から、楽しいことや嬉しいことを相手にも共有、提供できるようになり、自分も周りもハッピーになりはじめました。

●「疲れた、忙しい、時間がない」は禁句

毎日疲れた顔、眠そうな顔をして、ため息をついている上司を見たら、部下たちはどう思うでしょうか? 上司が部下に「忙しいから後にしてくれ」などと言ったらおしまいです。
なぜなら、部下は上司に対して同じせりふは決して言えません。
部下は「部課長になったらこんなに大変なんだ……」と更にヤル気を低下させ、楽しいどころか、辛くやるせなく、将来に夢も希望も持てなくなってしまいます。
「働くってこんなに素晴らしいことなんだ!」と輝く上司を身近に見ていれば、それだけで将来に夢と希望が持てます。
モチベーションもアップし、業績も向上、それは会社の利益にもつながり相乗効果が生まれます。
物事の捉え方、考え方、自分の感情さえコントロールできれば、人生や周りが変わるのです。

●常に最悪の事態を考えておく

世の中には、「考えてから動く人」、「考えながら動く人」、「動いてから考える人」がいると言いますが、私は一番目の「考えてから動く」タイプです。
実際に物事に取り組み始めると、想定していたリスクが本当に起きます。
それでも対処法を持ったうえで、実行に移しているので気持ちに余裕があります。
最悪の事態に直面しても、被害を最小限に抑え、回復に向かわせることができたという体験の積み重ねが、「最悪を考えて最高を生きる」ことができるようになるのです。
私は新規事業を始めるとき、ネガティブ情報をたくさん拾い集めます。
「こういうことが起きたら一巻の終わりだ、仕事はなくなる」など考えて、それでも「やる!」と思えたときに、事業をスタートさせます。
この方法の良いところは、「最悪」をあらかじめ分かっているということです。
それが分かっているから、失敗しても「こんなもんか」という気持ちで、時には大胆にもなれるのです。
最悪なケースを設定していないと、不安になったり、多大な期待をして失敗したり、決断力を鈍らせます。
「最高もあるけど最低もある」では良い結果は得られません。
最悪を低く抑えることで、アベレージを取ると結局は右肩上がりになるのです。

●一流と二流との違い

一流と二流の違いを一言でいうと、「成功者の多くは感情コントロールの達人」です。
その秘訣は、「Who am I ?」です。
一流は自分を良く理解し、感情コントロールにより、情緒的に安定しています。
仕事に取り組むときは集中力を発揮し、冷静に励むことができるのです。
心と感情をコントロールする術を身につけ、リーダーの存在意義とは何なのか? リーダーが果たすべき本当の役割と何か? リーダーは人、企業、社会に何をもって貢献するのか?を意識して、元気で憧れられるような素晴らしいリーダーになってください。